と、こんなタイトルをつけておきながら、私はというと社会人一年目から確定拠出年金にずっと入っています。是非を考えることもなく、会社が福利厚生(退職金の一部)として確定拠出年金に拠出してくれていました。
なので、私はシングルマザーになるこをときっかけに加入した訳ではありません。
iDeco(イデコ)とはなんぞや?
iDeco (The individual-type defined contribution pension plan) とは「個人型確定拠出年金」。今更説明不要でしょうか?
毎月の拠出額(掛金)が確定していて(上限がありますが自分で決められます)、将来受け取る年金は変動する、という私的年金制度です。将来受け取る年金額は、自分の運用方法によって増えたり減ったりします。
私は長らく(日本版)401K*1と呼んでいましたが、いつの間にか私の知らぬ間にiDeco(イデコ)という愛称が市民権を得ているようでびっくりした記憶があります(^^;
私が前職で入っていたように会社が掛け金を負担してくれているものを企業型確定拠出年金、個人が掛け金を負担するものを個人型確定拠出年金と言い、この個人型がiDecoと呼ばれています。自営業の方やこの制度がない会社の従業員、専業主婦などが加入できるのはiDecoですね。
私は転職先の企業にこの年金制度が無かったので、転職を境に企業型から個人型(iDeco)に切り替えて掛け金を払い続けています。個人で掛け金は出さず、企業が出してくれていた過去の拠出分の運用だけをすることもできます。
企業型で入られている方は是非を考えるまでもないのですが、勤務先にそんなものはない、あっても自分はその対象じゃないという場合、個人型(iDeco)で入るしかありません。
詳しい説明は他の専門家にお任せしますが、私が思うメリットや注意点を簡単に。
メリット1:将来の備えを取崩す心配がない
老後の資金、貯めないといけませんよね。
退職金もあてにできないですし、自分で考えて備える必要があります。預金や保険も良いのですが、何か急な出費等で使わざるを得なくなるかもしれません。そんな時でも、この年金分は必ず将来のために残っていることになります。 年金なので、60歳になるまでは引き出したりすることはできません。
メリット2:節税効果
拠出時は所得税・住民税が非課税
毎月拠出した掛け金は、所得税・住民税において非課税となります。
例えば年収が300万円の場合、社会保険と基礎控除を引いて大体100万円前後が課税対象となります。(家族構成や保険料の控除など、人によって差が大きいのでざーっくりです。)この金額だと所得税は5%なので、大体所得税は5万円位になります。
しかし!毎月2万円iDecoで積み立てていたとすると、この100万円から更に24万円を引けるので、課税対象が76万円となり、所得税が3.8万円程度に。たかが1万ですか?でも、住民税も2万円以上安くなるので、合計で3.5万前後。iDeco未加入の場合と比べると、毎年3.5万円税金が安くなるのです。
このメリットは、所得が低いとそこまで大きくないのですが、年収が高ければ、所得税率も10%、15%と上がっていくので効果が大きくなります。
同じように老後のためにと毎月2万円を積立預金するのと毎月の負担は変わりませんが、預金だともちろん税金は安くなりません。
ちなみに2万円は大変だと思いますが、iDecoは5千円から始められます。もちろんその分節税効果は小さくなります。
運用益は非課税
普通に株や投資信託を運用して利益が出た場合、その利益には税金がかかります。預金の利息をもらう時、税金が引かれて入金されるのと同じですね。
でも、iDecoの場合はこの運用益に税金はかかりません。
デメリット1:自由に解約したり受け取れない
メリット1とコインの裏表の関係と言えますが、確定拠出年金は確定拠出年金法に基づく”年金制度”なので、原則60歳になるまで解約したり受けとることは一切できません。
(加入期間が非常に短い場合など条件を満たせば一時金として受け取れることもあります)
ただ、掛け金の拠出はいつでも止められます。
デメリット2:拠出後の資金は自己責任の運用
毎月拠出した掛金を、どの商品で運用するかは自分で決められます。自由ではあるのですが、受け取る年金額は確定していません。想定の年金額が確保できないリスクはあります。
元本割れは絶対嫌だ!と言うなら定期預金商品を指定することもできるし、多少のリスクを背負っても増えてもらわないと!と考えるなら様々な投資信託などが用意されています。
銀行で定期預金に預けると利息に税金がかかりますが、前述の通りiDecoの場合かかりませんので利息はまるまる受け取れます。
シングルマザーにもオススメな理由
シングルマザーじゃなくてもオススメではあるのですが、この度いろんな補助とか計算していて「iDecoに入ってて良かった…」と思うタイミングがあったのでご紹介します。
尚、現在の収入で生活がカツカツなのだ!という場合はもちろん無理に入る必要はないと思います。なぜなら前述の通り、「ちょっと余裕が無い」というときにも絶対に取り崩すことができないからです。
他の貯金や保険などがある程度用意できてきた状態で、まだ頑張れるという場合に初めて検討の余地ありかな、と思います。
手当や保育料などの計算にも影響
児童扶養手当の計算
【 所得控除後の金額 - 一律控除(8万) - 各種控除 = 年間総所得金額 】
この控除の中に、”小規模企業共済等掛金控除”というのがあり、iDecoの掛金はここに入ります。他の控除は障がい者控除や医療費控除など。
控除が増えるので、所得金額が下がる=児童扶養手当が上がる!(一部支給の場合)
児童扶養手当に頼らざるを得ない現状では、とても有り難いことですね。
保育料の計算
保育料は住民税のうち、市民税の所得割(控除前)を元に決定されます。これが高くなれば、保育料の区分も高くなっていきます。iDecoにより住民税も安くなるので、もちろん市民税の所得割もiDecoをしていない場合と比べると安くなっています。
つまり保育料の区分も、iDecoがあるかないかで区分が変わる(ひとつ下の区分になり、保育料が安くなる)可能性があります。iDecoによって劇的に税金が安くなる訳ではないので、区分のボーダー付近にいる場合は変わるかも?程度のお話です。iDecoをしても区分が変わらない場合ももちろんあります。
将来の備え、頼れるのは自分だけ!
一馬力で頑張るしかないシングルマザー、頼れるのは自分だけ。メリット1で述べた通り老後の資金を貯められるのは自分だけです。将来子供に頼りっきりなんてことにならないよう、お一人様老後のために今から備えておくのも良いのではないでしょうか?
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*1:アメリカの401Kに似て非なる制度なので、日本版401Kと呼ばれていました。
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